〔024〕那須岳 (1,917m)

標高差:450m

2005年04月30日(当時55歳)


アイスバーンも無くなり、視界が開け、前方に ”峰の茶屋”が見えてくる。
噂の雪渓トラバース路も見え出したが、融雪しだして誰かが渡るまでは俺は絶対に渡らない。(小心ものなのです)

24分で ”峰の小屋”に着く。 まずは ”茶臼岳”に登り、アイスバーンが緩んでいたらトラバース路を通り  ”朝日岳”に向いたい。
内心 ”朝日岳”は見送りたい気持ちで一杯だ。

少し霞んでいるが ”峰の小屋”からもすばらしい展望が広がっていた。
前方には1,800m以上の山々が連なる。
”茶臼岳”の山頂を目指す所が、道を間違え ”茶臼岳”の
周遊路に入ってしまう。 周遊路は ”地獄巡り”になっており、
是非、見ておきたい所ではあった。
ジェット機音の様に音を出している所、もうもうとガスを発して
いる所、と見所が充分あった。 硫黄臭いので長居はしたくない。
1時間10分で各登山道の分岐点になっている ”牛ヶ首”に着く。
休息場所になっておりロープウエイが動き出すと観光客で
溢れてしまうと思う。
茶臼岳は活火山であること、昔は硫黄を採掘して火薬の原料に
していたこと、硫化水素ガスを発しているので危険なこと、
等が書かれていた。(クリックで拡大します。)
穏やかな周遊路を進むとロープウエイの山頂駅が見えてきた。
始発までには時間があるので観光客はまだ登って来ていない。
山頂駅からの直登コースを山頂目指して頑張る。
左上に ”峰ノ小屋”からのグループ6名が登って来た。
火口底を覗くが、緩やかな凹みなので迫力がない。
加工底周辺からの噴気は見られないが、外周の落ち込みが凄かった。
火口を半周すると鳥居のある ”茶臼岳”の最高地点が見えてきた。
2時間03分で ”茶臼岳最高地”(1,915m)に着く。
えらく遠回りしたが価値はあった。

今日の温泉
 
駐車場の車に帰り着くと隣の車の人も下山を終えていた。挨拶して少し喋ると話しが止まらなくなり山談議が続いてしまう。 ネットで350円の温泉を決めていたが、地元のこの人の薦めで那須温泉 ”鹿の湯”(400円)へ一緒に行くことにした。
  鹿の湯に入った途端 ”やられたー!”と思った。石鹸、シャンプーが禁止なので目的の汗を流せない。 湯温違いの湯舟が三つあり、確かテレビで見たことがある。一番ぬるい湯舟が普通の温泉の温度、中温で熱い位なので一番熱い湯舟には入らなかった。見た目でも熱そうな感じだった。 湯に浸かっている内に体は洗えなくても、こんな湯治場に連れて来てもらって感謝する様になった。 後でアドレス交換をした大野さん(51歳)はここで2時間位居るらしが、俺は早々に上がる。 いい経験が出来た。
皇海山へ移動する
  昨年、男体山、白根山に登った時に買物をした日光街道沿いのスーパーで食料を買い込み、一方通行のいろは坂でへたれを相手にバトルを楽しみ、男体山、白根山を横目で見ながら追貝に向う。

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栃木県那須郡那那須町大字湯本
尾根にはくさり場があったが、このくさりは登り降りの補助的な意味合いでなく、
強風で飛ばされない様に設置されたものだ。 これがあれば恐怖感が薄れる。
前日の移動
  安達太良温泉に入った後は、二本松市に出て国道4号線をフラフラとドライブする。途中、昼の足しに山菜ラーメンを食べて、明日の昼飯にするおにぎり2ヶを買う。
那須高原有料道路(360円)を走り、ロープウエイ駅に行き、明日の
始発時間を調べておく。 ロープウエイ(片道650円)に乗る為ではなく、観光客が大挙して登ってくる前に ”茶臼岳”を済ませておきたい
だけである。始発は7時半なので、6時に登り始めれば大丈夫だろう。
”那須岳のすごい景観” 駐車場の周りからしてすごい景観である。
正面に ”茶臼岳”、右手に ”朝日岳”がむき出しで聳えている。
登山者は結構来ておりパラパラと下山してくる人が居る。
まだ15時、山景色を眺めながら酒を呑んでいると最高にいい気分だ。
今日も朝飯抜きで5時20分に駐車場を出発。 登山道は一面の
アイスバーン。 先行者のおじさんは軽アイゼンを付けて登っているが、アイゼン無しで行ってしまう。
火山性の山の影響か、標高1,500mを満たない登山口から
高山帯の様相をしていた。
右手に ”朝日岳”(1,896m)を見ながらの歩きになるが、歩くに従い朝日岳の山容が
グングン大きくなってくる。 朝日岳はどこから登らしてくれるのか?
ここから見る限りでは簡単に登れそうには見えなかった。

この3日間、強風の吹きっぱなしであるが、ここも風が強い、地形的に風の通り道になっており、10月から5月までは強風が吹くらしい。

先行のおばちゃんがアイゼンを付けて行くと言うのでひるむ訳には
行かなくなってしまった。 しかし、帰りもここを通らなければ
ならいと思うと気が重い。
ステップは足形分だけ、雪は緩んでいてくれた。 下を見ないで
おこうと思うが見てしまう。 下を見ると恐怖感が更に湧いてくる。
ピッケルを持っていても滑落すれば止まらないだろう。
こちらのくさり場は積雪期の滑落防止用だろう。
残雪がなければトラバース路は怖くない。
ここを抜けて登り切ると ”朝日の肩”に出る。
8時37分、3時間17分で ”朝日の肩”に着く。
ここにザックをデボして ”朝日岳”にアタックする。
(そんな大げさなものではないが・・・)
”朝日の肩”から空荷で5分で ”朝日岳”(1、896m)に着いた。
展望最高。 後でストーカまがいをしたお姉さんにシャッターを押してもらう。
因みに下りは4分しか掛からなかった。
駐車場から ”朝日岳”が見えていた様に、”朝日岳”からも駐車場が一望出来た。
昨日と打って変っての好天気、但し空気の透明感は今一であった。
朝日岳山頂から ”茶臼岳”を見る。 これを2周もするバカも居るんだ。
”朝日の肩”からこれから登る ”1,900mピーク”への縦走路を見る。
”1,900mピーク”より ”清水平”、”三本槍岳”を見る。
”清水平”より、これから登る ”三本槍岳”を見る。
”三本槍岳”は山名に反して穏やかな山であった。 ”清水平”一帯は湿原に
なっており、お花シーズンは兎も角、残雪のこの時期は泥濘とくされ雪に
よるつぼ足に苦しむ。 この辺りでは長靴が正解だった。
”清水平”より縦走して来た道を振り返り見る。
”清水平”は緩やかな鞍部となっており、残雪がザクザク、雪解け水でヌタヌタだった。
4時間48分にて那須岳最高峰 ”三本槍岳”(1,917m)に着く。
気温9℃、コンビニおにぎり1ヶを食べて昼食とする。
このおっちゃんが地図を持っていたので、山を見ながら山名を同定して行く。
猪苗代湖、磐梯山、安達太良山が見えたのには感激。 休憩12分で下山する。
Road Map :国道4号線から那須高原有料道路(360円)に入り、R・W駅の駐車場に停める。
Route Map:茶臼岳を周回後、朝日岳、清水平、三本槍岳を往復する。
日本百名山』 山全体としては変化が多く面白いが最高峰の三本槍岳は面白味に欠けた。
”峰の小屋”に戻り、ベテランらしいおっさんに
”トラバースは大丈夫ですかね?”と聞いてみると
大丈夫、行ける!行ける!”の返答だった。
取り合えず行ってみるか。 ビビッているのに追い討ちを掛ける様な注意書きがトラバース路入口にあった。
'05年度、東北の山遠征
04/28 04/29 04/30 05/01 05/01
磐梯山 安達太良山 那須岳 皇海山 赤城山
最高峰は三本槍岳
”三本槍岳山頂”より西方向の ”流石山”、”大倉山”、”三倉山”方向を見る。
”三本槍岳山頂”より北方向の”赤崩山”、”観音山”方面を見る。
なすだけ
写真は朝日岳(1,896m)
深田久弥著の「日本百名山」から
  那須がそれほど昔から有名になったのも、関東から寂しい奥州路に入る口に当っていたからであろう。
(略)東北本線の西那須野から黒磯あたりまで、その広漠たる原が続く。山の好きな者にとっては、
その果てに並び立った山の姿から眼が離せない。
登り:4時間48分(茶臼岳経由、三本槍岳まで)
下り:2時間12分(三本槍岳から直接下山)
コースタイム:7時間00分
雪渓のトラバース路は通行禁止となっているのか?、
ここからはハイカーの姿は見当たらなかった。
<前日は駐車場で車中泊をする。>
<当日の山歩き。>
”牛ヶ首”からは北方向に ”大倉山”(標高1,792m)を始め1,700mの山々が望めた。
”茶臼岳”の山頂が見えて来た。
周遊路から ”茶臼岳”を見上げる。
振り返り歩いて来た周遊路を見る。
登って来たハイカーにシャッターを押して貰い、”峰ノ小屋”側に下る。
下山路
  雪渓のトラバースを経て沢山の人が入山して来た。 みんな怖くはないんですかね。
峰の小屋に帰り着くと更に多くの登山者が群がっていた。 流石は百名山、流石はG・Wだ。
朝はアイスバーンだったが下山時は緩んでいたので、かかと落しでガンガン下り、
三本槍からは2時間で下り終える。 12時18分、7時間丁度で那須岳を終える。
雪渓のトラバースは下山時も避けられないのは判っていたので覚悟は出来ていた。
多くのハイカーが通過した後なので踏み巾は広くなり歩き易くはなっていたが、
滑落の恐怖は最後まであった。
振り返って見ると恐怖が甦って来る。
2023年10月29日改定